ロレックス（Rolex）は、ハンス・ウィルスドルフが1905年にロンドンで創業した腕時計のブランドです。

1881年にドイツで生まれたウィルスドルフは、1905年にロンドンで時計商社「ウィルスドルフ&デイビス」を設立、スイスのジャン・エグラ―から高精度なムーブメントを輸入し、当時はまだ普及していなかった腕時計の製造と販売に着手しました。2年後にはスイスに事務所を開設し、1908年にロレックスを商標登録、1915年には「ロレックス・ウォッチカンパニー」へ社名変更しました。ロレックスを名乗るようになったのは、第一次世界大戦の影響でドイツ名のウィスドルフが輸出に差しつかえるのを防ぐ対策だったとされます。ちなみに、このロレックスというブランド名は創業者ウィスドルフが生み出した造語で「欧州のどの国でも読みやすいように」との思いがこめられています。ただし、ロレックスの意味や由来は明らかにされていません。

ロレックスは改良を重ねて防水腕時計を開発し、1910年には腕時計で初めてクロノメーター公認を受ける快挙を遂げました。1920年にはスイスのジュネーヴに「モントレ・ロレックス」を設立し、1926年からはあの有名な王冠マークが使われるようになりました。この王冠マークは時計の王様、あるいは時計をつくる職人の手を表しているといわれています。また、王冠マークの位置が偽物ではないことを証明する役割も果たしています。

ロレックスは、1926年に防水機能を持つ「オイスターケース」、1927年には「ねじ込み式りゅうず」、1931年には自動ねじ巻き機構「パーペチュアル」などの特許を取得し、常に先進的な技術で優れたモデルを次々と開発していきました。1945年にはオイスターウォッチの原点といえる「デイトジャスト」、1953年には現在も高い人気を誇る「サブマリーナー」、 1963年にはクロノグラフの定番「デイトナ」を発表。現在も業界をけん引し、高級腕時計の王様として君臨し続けています。